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S3 · シミュレーション

ピンフィン冷却器の解析

ピンフィンコールドプレートの熱抵抗と圧力損失:管群の経験的相関式による見積もり

個人プロジェクト(自主制作) · 公開資料に基づく一般的な構造の模式図 · いずれの雇用主の製品とも無関係

熱抵抗 Rth

0.00773K/W

ベースプレート上面 → 冷却液入口

圧力損失 Δp
2.14kPa
平均熱伝達係数 h̄
18,152W/(m²·K)
Re 数(最大流速)
2,040
流れの領域
亜臨界(混合流)

すべての入力が相関式の適用範囲内適用範囲を確認

パラメータスタディ

ドラッグ/矢印キーで回転 · ホイール/+/- で拡大縮小 · Home でリセット · クリックで部品を選択1 本指で回転 · 2 本指で拡大縮小 · タップで部品を選択

既定パラメータのピンフィンコールドプレート:ベースプレート、千鳥配列の円柱ピン、半透明のカバー、両端のマニホールド形状を簡略化したパラメトリックな模式モデル

3D モデルを準備中

流線の模式図 · 上面図

模式図 · CFD ではない
流れの方向 · 一様流に各ピンのポテンシャル流れの二重わき出し(ダブレット)を重ね合わせたもので、ピンまわりの流れと配列のイメージをつかむためだけのもの。後流、はく離、端壁・側壁の影響は含まない。

R_th – Δp トレードオフ

選択したパラメータをスライダーの全範囲で再計算する。その他のパラメータは現在値に固定する。白抜きの点は、1 つ以上の相関式が適用範囲外であることを示す。

0.0000.0050.0100.0150.0200.20.512510Δp(kPa、対数軸)R_th(K/W)

現在:流量 8.0 L/min · Rth 0.00773 K/W · Δp 2.14 kPa

データ表を表示
流量 (L/min)Rth (K/W)Δp (kPa)
20.01860.121
2.750.01580.236
3.50.01410.393
4.250.01070.591
50.009830.828
5.750.009151.10
6.50.008591.42
7.250.008131.76
80.007732.14
8.750.007392.55
9.50.007102.98
10.250.006843.45
110.006603.94
11.750.006394.46
12.50.006205.00
13.250.006035.56
140.005876.15
14.750.005726.76
15.50.005587.40
16.250.005468.05
170.005348.73
17.750.005239.42
18.50.0051210.1
19.250.0050310.9
200.0049311.6

計算の詳細

ピン数
240
列数 N_L × 各列の本数
20 × 12
伝熱面積(ピン + 底面)
12,064 + 3,246 mm²
最小断面流速 V_max
0.67 m/s
Nu_D
57.7
C₁ · C₂
0.350 · 1.000
フィン効率 η_f
0.404
総括表面効率 η_o
0.530
NTU · ε
0.27 · 0.234
対流熱抵抗 1/(η_o hA)
0.00679 K/W
冷却液昇温の熱抵抗
0.000945 K/W
出口温度
40.72 °C
ξ · 主抵抗数 N_W
0.485 · 20
平均液温での物性 ρ · c_p · k · μ · Pr
992 · 4180 · 0.629 · 0.648 mPa·s · 4.31
ポンプ動力
0.285 W
ベースプレート温度 @ Q
43.1 °C

パラメータスタディ

スライダーで流量とピンフィン形状を変え、熱抵抗と圧力損失の変化を確認する。

流量は体積流量。熱負荷は出口温度と壁面温度(Pr_s 補正)だけに影響し、熱抵抗への影響は小さい。

冷却液
8.0
2L/min20
40
25°C85
400
50W1500

相関式の適用範囲

計算のたびに、入力が各相関式の元データの範囲内にあるかを判定する。境界値は範囲内とみなす。

Zukauskas の管群熱伝達

確認項目現在値適用範囲判定
Re_D,max2,04010 – 2×10⁶範囲内
Pr4.310.7 – 500範囲内
10² ≤ Re < 10³ の区間2,040—範囲内
列数 N_L20≥ 20範囲内
S_T/S_L(碁盤目配列)1.00—範囲内

    Gaddis–Gnielinski の圧力損失

    確認項目現在値適用範囲判定
    Re₀2,0401 – 3×10⁵範囲内
    a = S_T/D2.001.25 – 3範囲内
    b = S_L/D2.000.6 – 3範囲内
    c(千鳥配列の対角ピッチ比)2.24≥ 1.25範囲内
    主抵抗数 N_W20≥ 5範囲内
    低 Re の層流域2,040≥ 1000範囲内

      ピンフィンの 1 次元熱伝導

      確認項目現在値適用範囲判定
      Bi = hD/(4k)0.0233≤ 0.1範囲内

        冷却液の物性表

        確認項目現在値適用範囲判定
        平均液温40.4 °C5 – 150範囲内
        平均壁面温度41.8 °C5 – 150範囲内
        ベースプレート温度43.1 °C≤ 100範囲内

          形状

          確認項目現在値適用範囲判定
          H/D4.00≥ 4範囲内
            モデルと検証

            計算手法

            最小断面流速 V_max で Re を求め、Zukauskas の管群相関式(列数補正を含む)で平均 Nu と h を求める。ピンは等断面の直線フィン・先端断熱としてフィン効率を計算し、ピンのない底面も同じ h で熱伝達すると仮定する。

            温度効率–NTU 関係でベースプレートから冷却液入口までの熱抵抗を求め、平均液温と壁面温度は反復計算で決める。圧力損失は Gaddis–Gnielinski の管群相関式で求め、対象はピン配列部だけとする。

            計算式

            • Re_D,max = ρ V_max D / μ, V_max = S_T/(S_T − D) · V (または S_T/[2(S_D − D)] · V)
            • Nu_D = C₁ C₂ Re_D,max^m Pr^0.36 (Pr/Pr_s)^1/4, h = Nu_D k / D
            • η_f = tanh(mH)/(mH), m = √(4h / (k_f D)), η_o = 1 − (A_f/A)(1 − η_f)
            • NTU = η_o h A / C, C = ρ V_f c_p(V_f:体積流量), ε = 1 − e^−NTU, R_th = 1 / (ε C)
            • Δp = ξ N_W ρ u₀² / 2, ξ = ξ_lam + (ξ_turb + f_n)[1 − e^−(Re+k₁)/k₂]

            物性値は温度で補間する(μ は対数補間)。水:飽和液、IAPWS-95 と IAPWS の粘度・熱伝導率の式。50% エチレングリコール水溶液(質量分率):Melinder (2010) のデータへのフィッティング。いずれも CoolProp 8.0.0 で生成し、単体テストで Incropera の表 A.6 と照合している。

            仮定と制約

            • 定常の単相流。ベースプレート上面(ピン根元)は等温とし、ベースプレート内の熱伝導と熱の広がりは考慮しない。
            • カバーはピン先端に密着し、バイパス流はない。カバーと側壁は断熱。マニホールドの流量配分は均一とし、マニホールドの圧力損失は含めない。
            • 相関式は長い円柱の管群データに基づき、短いピンへの端壁の影響は考慮しない。Δp には壁面粘度補正を行っていない。
            • 熱負荷は出口温度と壁面温度(Pr_s)の計算だけに用いる。ベースプレート温度は平均値としての見積もりである。

            参考文献

            1. Incropera, DeWitt, Bergman, Lavine. Fundamentals of Heat and Mass Transfer, 6th ed., Wiley, 2007 — §7.6 式 7.58、表 7.5–7.6;§3.6 ピンフィン;表 A.6。
            2. Zukauskas, A. Heat transfer from tubes in crossflow. Advances in Heat Transfer 8 (1972) 93–160.
            3. Gaddis, E. S., Gnielinski, V. Pressure drop in cross flow across tube bundles. Int. Chem. Eng. 25 (1985) 1–15;VDI Heat Atlas, 2nd ed., 2010, Ch. L1.
            4. Melinder, Å. Properties of Secondary Working Fluids for Indirect Systems. IIR, 2010;Bell et al., CoolProp, Ind. Eng. Chem. Res. 53 (2014) 2498–2508.

            プロジェクトの要点

            問い
            ピンフィンコールドプレートのピン径、ピッチ、配列、流量について、熱抵抗と圧力損失のトレードオフをどう取るか。
            手法
            Zukauskas の管群熱伝達、Gaddis–Gnielinski の圧力損失などの経験的相関式に、等断面直線フィンのフィン効率と ε-NTU 法を組み合わせてベースプレートから冷却液入口までの熱抵抗を求め、相関式の適用範囲をリアルタイムに判定する。
            結果
            既定条件(水 8 L/min、400 W、銅ピン D = 2 mm、ピッチ 2D、千鳥配列)で Rth ≈ 0.0077 K/W、Δp ≈ 2.1 kPa、Re ≈ 2040(適用範囲内)。碁盤目配列にすると熱抵抗の上昇は約 2% にとどまり、圧力損失は約 0.96 kPa まで下がる。